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CAGEDシステムがうまく機能しない理由


しばらくギターを弾いている人なら、


一度はこんなことを言われたことがあるかもしれません。


「CAGEDシステムを覚えれば、指板が一気に分かるよ。」


理屈の上では、たしかに魅力的に聞こえます。


5つの形。ネック全体につながる配置。突然、すべてが“整理された”ような気がする。


でも、正直に言うと──こんな感覚もありませんか?


形は分かる。✔


移動もできる。✔


でも、いざ音楽を弾こうとすると、どこか詰まる。



なので、最初にこれだけはっきりさせておきます。


CAGEDシステムの問題は、「間違っている」ことではありません。


問題は、どう教えられ、何を期待されているかです。



CAGEDシステムとは何か(そして、何ではないか)


CAGEDは、基本的に次の5つのオープンコード形を使って指板を整理する考え方です。


C / A / G / E / D


ネック上でこれらの形が繰り返されるので、ポジションごとのコード位置を把握するには、


たしかに役に立ちます。**位置関係を知るための“地図”**としては、悪くありません。


ただし、CAGEDは最初から:

  • 和声を完全に理解するためのもの

  • ソロのためのシステム

  • 耳で聴く代わりになるもの

として作られたわけではありません。


個人的には、CAGEDは「うまく説明できてしまった偶然」であって、指板そのものの音楽ではないと思っています。


それを「答え」として教えてしまうと、ズレが生まれます。



漢字学習とCAGEDの関係(僕の体験から)


カナダ出身のギタリストとして東京で教えていると、どうしても避けて通れないのが漢字学習です。


多くの外国人学習者にとって、漢字を覚える苦しさって、ギターの指板を覚える感覚にかなり近いと思います。


そして、ほぼ全員が一度は出会うのがヘイシグ式(Heisig Method)です。


漢字を、イメージやストーリー、部品に分解して覚える方法ですね。


たとえば:

川 = “river”


木 = “tree”


こうやって覚えると、「見たことある!」とは言えるようになります。


でも、次に来るのがこれです。


「漢字は分かるのに、文章が読めない…」


なぜかというと、認識できることと、実際に使えることは別だからです。


たしかに「川」を見た瞬間、頭の中では “river” と出てくる。でも、日本語としての読み方や使い方は、なかなか身につかない。


CAGEDもまったく同じです。


指板を「見て分かる」ようにはなる。でも、音楽がどう流れているかは、自動的には分かりません。


漢字のストーリーが文法や会話を教えてくれないのと同じで、CAGEDの形も、フレージングやリズム、和声の役割までは教えてくれないのです。



僕が実際に教えていること(そしてその理由)

CAGEDで行き詰まったと感じている生徒さんに対して、僕が実際に重視しているのは、次のポイントです。

1. まずはルート音(特に6弦・5弦)

6弦と5弦上のルート音が分かるだけで、指板の見え方は一気に変わります。

  • キーがすぐ分かる

  • コード進行を追える

  • どこにいても迷わない

これだけで、多くの混乱は解消されます。

2. ルート周りのコードトーン

大きな“箱”ではなく、ルートに結びついた小さなコードトーン形を重視します。

これらは:

  • バッキングにも使える

  • ソロにも使える

  • なぜその音が安定して聞こえるかを説明できる

コードトーンが分かると、音選びが突然“意味を持ち始める”んです。

3. メジャースケールは「檻」ではなく「文脈」

もちろん、メジャースケールの形も教えます。

ただし、「その中に閉じこもる場所」としてではありません。

  • 素材

  • 使える音の集合

  • 色付けのための文脈

という位置づけです。

ここが大事です:

  • コードトーン=着地点

  • スケール音=選択肢

  • フレーズ=目的

僕のレッスンでの指板整理の考え方

だいたい、こんな順番です。

  • 指板上のルート音(特に6弦・5弦)

  • それにつながるコードトーン

  • 補助としてのメジャースケール

  • ポジションを横に移動する感覚

  • それらを実際の曲・ソロに当てはめる

音に「役割」が生まれると、指板はもう抽象的な迷路ではなくなります。

最後に

CAGEDは、指板を見る助けにはなります。

でも音楽は、音・機能・フィーリングを理解したところで生まれます。

もし、

  • パターン練習から抜け出したい

  • 指板の見え方を整理し直したい

と思っているなら、高田馬場(東京)で英語・日本語どちらでもマンツーマン/グループレッスンを行っています。

生徒によって、必要なアプローチは違います。僕の仕事は、その人に合った方法を一緒に見つけることです。

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