CAGEDシステムがうまく機能しない理由
- ryanboisselle
- 4 日前
- 読了時間: 4分

しばらくギターを弾いている人なら、
一度はこんなことを言われたことがあるかもしれません。
「CAGEDシステムを覚えれば、指板が一気に分かるよ。」
理屈の上では、たしかに魅力的に聞こえます。
5つの形。ネック全体につながる配置。突然、すべてが“整理された”ような気がする。
でも、正直に言うと──こんな感覚もありませんか?
形は分かる。✔
移動もできる。✔
でも、いざ音楽を弾こうとすると、どこか詰まる。
なので、最初にこれだけはっきりさせておきます。
CAGEDシステムの問題は、「間違っている」ことではありません。
問題は、どう教えられ、何を期待されているかです。
CAGEDシステムとは何か(そして、何ではないか)
CAGEDは、基本的に次の5つのオープンコード形を使って指板を整理する考え方です。
C / A / G / E / D
ネック上でこれらの形が繰り返されるので、ポジションごとのコード位置を把握するには、
たしかに役に立ちます。**位置関係を知るための“地図”**としては、悪くありません。
ただし、CAGEDは最初から:
和声を完全に理解するためのもの
ソロのためのシステム
耳で聴く代わりになるもの
として作られたわけではありません。
個人的には、CAGEDは「うまく説明できてしまった偶然」であって、指板そのものの音楽ではないと思っています。
それを「答え」として教えてしまうと、ズレが生まれます。
漢字学習とCAGEDの関係(僕の体験から)
カナダ出身のギタリストとして東京で教えていると、どうしても避けて通れないのが漢字学習です。
多くの外国人学習者にとって、漢字を覚える苦しさって、ギターの指板を覚える感覚にかなり近いと思います。
そして、ほぼ全員が一度は出会うのがヘイシグ式(Heisig Method)です。
漢字を、イメージやストーリー、部品に分解して覚える方法ですね。
たとえば:
川 = “river”
木 = “tree”
こうやって覚えると、「見たことある!」とは言えるようになります。
でも、次に来るのがこれです。
「漢字は分かるのに、文章が読めない…」
なぜかというと、認識できることと、実際に使えることは別だからです。
たしかに「川」を見た瞬間、頭の中では “river” と出てくる。でも、日本語としての読み方や使い方は、なかなか身につかない。
CAGEDもまったく同じです。
指板を「見て分かる」ようにはなる。でも、音楽がどう流れているかは、自動的には分かりません。
漢字のストーリーが文法や会話を教えてくれないのと同じで、CAGEDの形も、フレージングやリズム、和声の役割までは教えてくれないのです。
僕が実際に教えていること(そしてその理由)
CAGEDで行き詰まったと感じている生徒さんに対して、僕が実際に重視しているのは、次のポイントです。
1. まずはルート音(特に6弦・5弦)
6弦と5弦上のルート音が分かるだけで、指板の見え方は一気に変わります。
キーがすぐ分かる
コード進行を追える
どこにいても迷わない
これだけで、多くの混乱は解消されます。
2. ルート周りのコードトーン
大きな“箱”ではなく、ルートに結びついた小さなコードトーン形を重視します。
これらは:
バッキングにも使える
ソロにも使える
なぜその音が安定して聞こえるかを説明できる
コードトーンが分かると、音選びが突然“意味を持ち始める”んです。
3. メジャースケールは「檻」ではなく「文脈」
もちろん、メジャースケールの形も教えます。
ただし、「その中に閉じこもる場所」としてではありません。
素材
使える音の集合
色付けのための文脈
という位置づけです。
ここが大事です:
コードトーン=着地点
スケール音=選択肢
フレーズ=目的
僕のレッスンでの指板整理の考え方
だいたい、こんな順番です。
指板上のルート音(特に6弦・5弦)
それにつながるコードトーン
補助としてのメジャースケール
ポジションを横に移動する感覚
それらを実際の曲・ソロに当てはめる
音に「役割」が生まれると、指板はもう抽象的な迷路ではなくなります。
最後に
CAGEDは、指板を見る助けにはなります。
でも音楽は、音・機能・フィーリングを理解したところで生まれます。
もし、
パターン練習から抜け出したい
指板の見え方を整理し直したい
と思っているなら、高田馬場(東京)で英語・日本語どちらでもマンツーマン/グループレッスンを行っています。
生徒によって、必要なアプローチは違います。僕の仕事は、その人に合った方法を一緒に見つけることです。
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