シティポップを弾くなら知っておきたい8人のギタリスト
シティポップギターを上手くなりたいとき、ついやってしまいがちなことがあります。
シティポップのギタリストばかり聴くこと。
まあ、普通に考えたらそうなりますよね。
でも、シティポップでよく聴くギターのボキャブラリーが、1980年頃の日本で突然ポンッと生まれたわけではありません。
ファンクがあって。
ソウルがあって。
R&Bがあって。
ジャズ・フュージョンがあって。
AOR(Adult-Oriented Rock)があって。
そういった音楽の要素を日本のミュージシャンたちが取り入れて、混ぜ合わせて、そこからかなり独自のサウンドが生まれていきました。
なので今回は、
「日本のシティポップギタリストBEST 8!」
みたいな記事ではありません。
僕が思う、
シティポップを弾きたい人なら、一度は聴いておいた方がいい8人のギタリスト
を紹介したいと思います。
シティポップに直接関わっている人もいれば、
まったくシティポップのギタリストではない人もいます。
でも、聴いてみると、
「あ、この感じ知ってる!」
というサウンドがかなり出てくると思います。
1. ナイル・ロジャース

まずは、かなり分かりやすいところから。
シティポップのリズムギターを上手くなりたい人に、最初におすすめしたいギタリストの一人がナイル・ロジャースです。
Chicを聴けば、理由はすぐ分かると思います。
ギターはクリーン。
コードは小さい。
ミュートが多い。
そして右手は、ほとんどリズムセクションの一部として機能しています。
ここはかなり大事です。
シティポップを弾こうとすると、どんどん複雑なコードを覚えたくなります。
Maj7。
Maj9。
m11。
13th。
もちろん、全部使えます。
でも、
リズムがカチカチだったら、どんなにオシャレなコードを知っていても助けてくれません。
16分音符のグルーヴがしっかりした3音のコードの方が、
ノリの悪い6音のMaj9より、だいたいカッコよく聴こえます。
そこがポイントです。
ここは盗もう!右手のグルーヴ、ミュート、小さいコードフォーム、そして少ない音でしっかり聴かせる感覚。
2. アル・マッケイ

ナイル・ロジャースがファンクギターの一つのスタイルだとしたら、アル・マッケイはまた別のタイプです。
Earth, Wind & Fireでのプレイで有名ですが、とにかくリズムがめちゃくちゃタイト。
僕にはナイルよりも少しシンコペーションが多く、動きも多めに聴こえます。
短いコードのキメ。✔
単音ライン。✔
小さなリズムフレーズ。✔
半小節だけ出てきて、すぐ消えるパート。✔
これがシティポップにもかなり使えます。
良いシティポップのアレンジって、ギターが4分間ずっと同じことを弾いているとは限りません。
あるときはコード。
あるときは短いファンクのライン。
そして、あるときは何も弾かない。
(最後のやつがギタリストには意外と難しいんですよね。😆)
ここは盗もう!シンコペーション、短いコードのキメ、単音のファンクフレーズ、そして弾かないタイミング。
3. デヴィッド・T・ウォーカー

ここからは、もう少しスムーズな方向へ。
デヴィッド・T・ウォーカーは、名前を聞いてすぐにピンと来ない人もいるかもしれません。
でも演奏を聴いてみると、
「あ、この感じは聴いたことある」
となる可能性が高いです。
小さなダブルストップ。
スライド。
コードの合間に入るフィル。
ボーカルの隙間に入る、ほんの短いメロディ。
2秒くらいだけ現れて、そのままスッと消えていく。
こういうプレイが本当に上手いです。
僕がR&Bギターで好きなのも、この感じです。
ギタリストがずっと、
「見て見て!オレ、コード知ってるから!!」
と叫んでいるわけではありません。
曲の中に、小さなパーツを足しているだけ。
シティポップの中でも、もう少しソウルフルで柔らかいサウンドを弾きたいなら、このスタイルはかなり参考になります。
ここは盗もう!ダブルストップ、メロディックなフィル、コードの装飾、そしてスペース。
4. コーネル・デュプリー

コーネル・デュプリーを聴くと、
「こんなに少なく弾いてもいいんだ」
と気づかされます。
R&B、ソウル、ファンク、ブルースをベースにしたスタイルで、Aretha Franklin、King Curtis、Donny Hathawayなど、数多くのアーティストと演奏してきた名セッションギタリストです。
R&Bっぽい細かいトリルやフィル、そしてポケットのあるリズムギターを勉強したいなら、Donny Hathawayのライブ盤での彼の演奏はかなりおすすめです。
僕がDupreeで一番好きなのは、
とにかくポケット。
別に、
「どう?上手いでしょ?」
とアピールしているようには聴こえません。
小さいコードを一発。
短いフィル。
ちょっとブルージーなフレーズ。
場合によっては、たった2音。
それだけなのに、
ちょうどいい。
これってシティポップでもかなり大事です。
良いギターパートって、必ずしも「ギターが目立つパート」ではありません。
アレンジの中にある、小さなパーツだったりします。
ギターが少し出てきて、
リズムや色を足して、
そして消える。
簡単そうですが、実はかなり難しいです。
ギタリストって、どうしても
「もっと弾けるようになろう」
と練習しますよね。
でもDupreeを聴いていると、逆に、
「いや、そこ弾かなくてもよくない?」
という発想が出てきます。
音を増やすんじゃなくて、
必要な音だけ残す。
これができると、一気に演奏が大人っぽくなります。
ここは盗もう!ポケット、短いR&Bフィル、ブルージーなフレージング、コードのキメ、そして「弾かない場所」を知ること。
5. 山下達郎

さて。
ここからは完全にシティポップの世界です。
シティポップを聴く人なら、山下達郎について今さら説明する必要はほとんどないでしょう。
でも、作曲やプロダクションに注目が集まりすぎて、
リズムギターがめちゃくちゃ上手い
という部分は意外と見落とされている気がします。
まずは『SPARKLE』を聴いてみてください。
あのギターパートだけでも、シティポップのリズムギターに必要なことの半分くらいが詰まっています。
クリーントーン。
タイトな16分音符。
小さなコードフォーム。
右手のパーカッシブな動き。
そして何より、
グルーヴしている。
ここでも、ギタリストはハーモニーに気を取られがちです。
もちろんコードも大事。
でも、
グルーヴは思っている以上に大事です。
「正しいシティポップのコード」を弾いていても、
ノリが悪ければ全然シティポップっぽく聴こえないこともあります。
ここは盗もう!カッティング、リズムの正確さ、クリーンなコードボイシング、そして音数の多いアレンジの中で自分の居場所を作ること。
6. 松下誠

山下達郎がシティポップギターの一つの方向性だとしたら、松下誠はまた別の方向性です。
ここから一気にハーモニーがオシャレになります。
まだ聴いたことがなければ、まずは『First Light』から。
ファンク。
AOR。
フュージョン。
複雑なコードボイシング。
滑らかなボイスリーディング。
そして、今では「シティポップっぽい」と感じる、
あのキラキラしたギターサウンドがたくさん出てきます。
いつも同じ大きなルートポジションのMaj7やm7を弾くのに飽きてきた人にもおすすめです。
高いポジションの小さいコードフォーム。
転回形。
テンション。
ベースとキーボードが他の音を担当しているので、
ギターは3音くらいしか弾いていないこともあります。
これもシティポップではかなり大事です。
全部の音をギターで弾く必要はありません。
むしろ、全部弾かない方がカッコいいこともあります。
ここは盗もう!テンションコード、ボイスリーディング、転回形、そして小さいコードフォーム。
7. 高中正義

次は、少し遊びましょう。😆
高中正義は、ここまで半年くらいシティポップのリズムギターばかり練習してきて、
ふと、
「あれ?リードは?」
と思った人におすすめです。
まずは『Ready to Fly』あたりから聴いてみてください。
高中は、かなりジャズ・フュージョン寄り。
リードギターが増えます。
メロディも増えます。
テクニカルなボキャブラリーも増えます。
音色もかなりカラフル。
でも僕が彼のプレイで好きなのは、
ちゃんとメロディとして聴こえること。
高度なプレイでも、
「気づいたらギタークリニックに迷い込んでいた」
みたいな感じにはなりません。😆
テクニカルになっても、ちゃんと音楽として追いやすい。
これはかなり大事です。
ここは盗もう!メロディックなソロ構成、フュージョンのボキャブラリー、アーティキュレーション、そして高度なプレイをちゃんと「音楽」にすること。
8. 鈴木茂

最後は鈴木茂です。
はっぴいえんどを経て、日本のポップスで重要なギタリスト/セッションミュージシャンとして活躍してきました。
ソロアルバムの『BAND WAGON』は、まず聴いてみるのにおすすめです。
でも、今回このリストに入れた一番の理由は、
もう少し地味なところにあります。
センス。
良いスタジオギターって、
自分の存在をアピールすることではなく、
曲を良くすること
だったりします。
それはフィル1個かもしれない。
小さな転回形のコードかもしれない。
短いメロディかもしれない。
あるいは、
キーボードがすでに全部埋めている場所では、
何も弾かないことかもしれない。
これ、ギタリストが身につけるまで意外と時間がかかります。
僕たちはギターを弾くのが好きです。
なので音楽的な問題が起きたときの解決方法は、つい、
とりあえず、もっとギターを弾く。
になりがちです。
残念ながら、それが正解とは限りません。😆
ここは盗もう!抑制、伴奏、センスのいいフィル、そして「自分のため」ではなく「アレンジのため」に弾くこと。
じゃあ、実際に何を練習すればいい?
8人全員の曲を片っ端からコピーする必要はありません。
僕ならまず、
この8人のプレイリストを作って、普段からなんとなく聴く
ところから始めます。
そして、少しずつ盗んでいきます。
リズムを1つ。
コードフォームを1つ。
フィルを1つ。
フレージングのアイデアを1つ。
それで十分です。
それを自分の演奏の中で使ってみる。
その方が、
「シティポップスケール」みたいなものを探したり、
オシャレなコードを25個暗記して、
なぜか突然シティポップっぽく聴こえることを期待するより、
ずっと役に立つと思います。😆
シティポップギターって、
実際にはいろいろな音楽のボキャブラリーが集まったものです。
その「言語」をたくさん知れば知るほど、
自然にそれっぽい演奏ができるようになっていきます。
シティポップギターをもっと弾けるようになりたい方へ
「シティポップが好きで、自分でも弾いてみたいけど、コードやカッティングをどう練習すればいいのか分からない」
「コードは押さえられるけど、なんとなくそれっぽくならない」
「R&Bっぽいフィルや、オシャレなコードボイシングも使えるようになりたい」
そんな方も大歓迎です。
レッスンでは例えば、
シティポップのコードボイシング
ファンクや16分音符のリズムギター
ミュートやカッティング
R&Bスタイルのフィル
アドリブ
こういったアイデアを実際の曲で使う方法
などを一緒に練習できます。
高田馬場での対面レッスン、またはオンラインレッスンを、日本語・英語どちらでも行っています。
レッスン内容は、あなたが実際に弾きたい音楽を中心に組み立てます。
興味のある方はこちらから体験レッスンをご覧ください。





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