ギタリストが知っておきたいシティポップのコード進行4選
今回は、ギターで弾いて楽しいシティポップ系のコード進行を4つ紹介したいと思います。
シティポップというと、
「コードが難しそう」
というイメージを持っている人も多いかもしれません。
実際、ジャズの影響もかなり強いので、
ii–V–I
セカンダリードミナント
借用和音
バックドア進行
susコード
スムーズなボイスリーディング
など、少しジャズ寄りのハーモニーがよく登場します。
でも、難しいコードを400個覚える必要はありません。😆
それよりも、
よく出てくるコードの動きを少しずつ覚えていく
方がずっと実用的です。
今回は、シティポップを弾くなら知っておくと便利なコード進行を4つ紹介します。
※ここで紹介するコードフォームは、あくまで弾き方の一例です。
進行1:Fm9 → B♭7

まずは、かなりシンプルなものから。
Fm9 → B♭7
これだけです。
2コード。
でもこのタイプのヴァンプは、シティポップだけでなく、ソウルやAOR系の音楽でもかなり
耳にします。
Fマイナーを中心として考えると、
i9 → IV7
という動きで、
Fドリアン
として考えることができます。
ここで重要なのが、B♭7に入っている**D(レ)**です。
普通のFナチュラルマイナーなら、
D♭
が入ります。
でもFドリアンは、
F – G – A♭ – B♭ – C – D – E♭
なので、Dがナチュラルになります。
このDの音が入ることで、
普通のマイナーキーよりも少し明るく、ファンキーな響きになります。
そして、この進行は特にどこかへ解決するわけではないので、
Fm9 → B♭7 → Fm9 → B♭7
とそのまま繰り返せます。
例えば、
イントロ
Aメロ
インスト部分
グルーヴを作るセクション
コードはあまり動かしたくないけど、ハーモニーに色が欲しいところ
などに使えます。
そして、ここで一つ大事なのは、
シティポップだからといって、毎回8個もコードが必要なわけではない
ということ。
良いコードが2つあれば、それだけでも十分です。
特にリズムギターが面白ければ。
ここを聴いてみよう
この進行では、コードそのものの響きもかなり重要です。
普通のFmより、
Fm9
の方がすでに色があります。
そしてB♭7に入っているDの音が、
ドリアンらしい響きを作っています。
あとは、
リズム、
ミュート、
アタック、
コードの間に入れる短いフィル
などで、かなり雰囲気を変えることができます。
シンプルなコード進行だからといって、
シンプルなサウンドになるとは限りません。
進行2:Fm9 → A♭/B♭ → E♭maj7 → C7(#5)

次は、同じFm9からまったく違う方向へ進んでみます。
今回は、
Fm9 → A♭/B♭ → E♭maj7 → C7(#5)
です。
E♭メジャーで考えると、
最初の3つは基本的に、
ii → V → I
です。
つまり、
Fm9 → B♭系のドミナント → E♭maj7
という、かなりおなじみの動きです。
でも、普通のB♭7ではなく、
A♭/B♭
を使っています。
これは簡単に言えば、
B♭のベース音の上にA♭メジャーを乗せたコード
です。
スラッシュコードを見ると、
「何これ?」
となる人もいるかもしれませんが、意外とシンプルです。
このA♭/B♭は、
B♭7susやB♭11のような響き
になります。
普通のB♭7よりも少し柔らかく、広がりのあるドミナントサウンドです。
そして、
E♭maj7
へ解決します。
はい。
無事に帰ってきました。
これで一安心。
……と思ったら終わりません。😆
次は、
C7(#5)
です。
C7は、Fmへ進みたがるドミナントコードです。
なので、
Fm9 → A♭/B♭ → E♭maj7 → C7(#5) → Fm9
とループさせると、とても自然につながります。
さらに#5を加えることで、
Fm9へ戻る直前の緊張感が少し強くなります。
実はそこまで難しい理論ではない
この進行の面白いところです。
譜面上で、
Fm9 – A♭/B♭ – E♭maj7 – C7(#5)
と見ると、
かなり難しそうに見えます。
でも中身は基本的に、
ii → V → I → VI7
です。
コードの役割自体は、そこまで変わったことをしていません。
シティポップっぽい色を作っているのは、
テンション
スラッシュコード
オルタード系のドミナント
ボイスリーディング
コードボイシング
などです。
つまり、
普通のコード進行に、ちょっといい服を着せている感じです。 😆
進行3:Fm9 → B♭7 → Cmaj7 → C7(♭9)

ここでもう一度、
進行1で使った最初の2コードに戻ります。
Fm9 → B♭7
ただし今回は、役割がまったく違います。
今回は、
Fm9 → B♭7 → Cmaj7
と進みます。
ここではもう、Fmを中心として聴いているわけではありません。
Fm9とB♭7が、
Cメジャーへ向かうバックドア進行
として機能しています。
Cメジャーで考えると、
ivm → ♭VII7 → I
です。
普通、Cmaj7へ解決するなら、
Dm7 → G7 → Cmaj7
という、
ii → V → I
を使うことが多いですよね。
でも別の方法として、
Fm9 → B♭7 → Cmaj7
と進むこともできます。
こちらの方が少し柔らかく、
ソウルっぽい響きになります。
そして面白いのは、
進行1では、
Fm9 → B♭7
がFドリアンのヴァンプとして聞こえていました。
でも今回は、
同じ
Fm9 → B♭7
が、明らかにCmaj7へ向かっています。
同じコードでも、前後の文脈によって役割は変わります。
これも覚えておくとかなり便利です。
せっかく落ち着いたのに、すぐ壊す 😆
ようやく、
Cmaj7
に到着しました。
でも次に、
C7(♭9)
へ変えます。
すると突然、
Cが「家」ではなくなります。
今度はC7(♭9)がドミナントとして働いて、
Fm9
へ戻ろうとします。
なので全体としては、
Fm9 → B♭7 → Cmaj7 → C7(♭9) → Fm9
というループになります。
C7(♭9)がFm9へかなり強く引っ張ってくれるので、
自然に最初へ戻れます。
そして♭9を入れることで、さらに少し緊張感が増します。
普通のC7だけでは刺激が足りなかったので。😆
同じCでも、役割はまったく違う
ここはぜひ耳で確認してみてください。
Cmaj7
と
C7(♭9)
は、どちらもルートはCです。
でも役割はまったく違います。
Cmaj7 = 到着
C7(♭9) = 次へ進む
Cmaj7は落ち着きます。
C7(♭9)は、
「まだ終わってないよ」
と言ってきます。😆
この考え方は、シティポップ以外でもかなり役に立ちます。
進行4:Fmaj7 → G7 → Em7 → A7 → Dm7 → F/G → Cmaj7 → B♭/C → C9

はい。
最後は大きいやつです。😆
Fmaj7 → G7 → Em7 → A7 → Dm7 → F/G → Cmaj7 → B♭/C → C9
かなり長く見えます。
でも細かく分けていけば、
実はよくあるコード進行をいくつかつなげているだけです。
Part 1:Fmaj7 → G7 → Em7 → A7
Cメジャーで考えると、
Fmaj7 → G7 → Em7 → A7
は、
IV → V → iii → VI7
です。
最初の、
IV → V → iii
は、日本のポップスでもかなりよく聴く動きです。
通常なら、
Em7のあとにAm7へ進むことも多いですが、
ここでは、
A7
を使っています。
A7にすることで、コードの役割が変わります。
A7はセカンダリードミナントとして、
Dm7
へ向かいます。
そこでさらに先へ進めるわけです。
Part 2:Dm7 → F/G → Cmaj7
次は、
Dm7 → F/G → Cmaj7
です。
機能的には、
ii → V → I
ですね。
ただし普通のG7ではなく、
F/G
を使っています。
Gのベース音の上にFメジャーを乗せることで、
G7sus系の広がりのある響きになります。
ソウル、フュージョン、AOR、シティポップなどでよく聞くサウンドです。
そして、
Cmaj7
へ自然に解決します。
ここでも、
基本的なコード進行はシンプル。
でもボイシングを少し変えることで、色が増えています。
Part 3:B♭/C → C9
Cmaj7まで来ました。
さすがにこれで終わりでしょう。
……終わりません。😆
次は、
B♭/C
です。
これもCをベースにしたsus系のドミナントサウンドになります。
そして、
C9
へ進みます。
ここではCが完全にドミナントコードとして機能しています。
C7系のコードは自然に、
F
へ進みたがります。
なので、最初の、
Fmaj7
へ戻ると、
きれいにループします。
難しそうに見えるけど、バラバラではない
この長い進行も、
中身を分けてみると、
IV → V
iii → VI7
ii → V → I
IVへ戻るためのドミナント
という、よくある動きの組み合わせです。
ここが大事です。
シティポップのコード進行が複雑に見えるのは、
いくつかの普通のコード進行が連続してつながっている
からだったりします。
適当に難しいコードを並べているわけではありません。
ちゃんと次のコードへ進む理由があります。
コード進行だけではシティポップにはならない
これは今回の記事で一番大事なポイントかもしれません。
例えば、
Fmaj7 → G7 → Em7 → A7
という進行を、
全部大きなブロックコードでジャーン、ジャーンと弾く。
理論的には合っています。
でも、
それだけで急にシティポップになるわけではありません。😆
サウンドを作るのはコード進行だけではなく、
テンション
転回形
スラッシュコード
スムーズなボイスリーディング
小さなコードフォーム
リズム
ミュート
アーティキュレーション
なども重要です。
例えば、
C → A7 → Dm → G7
と、
Cmaj9 → A13 → Dm9 → G13
は、
機能的にはかなり近いコード進行です。
でも雰囲気は?
かなり違います。😆
全部の指を動かす必要はない
これらのコード進行を練習するとき、
コードダイアグラムを一つずつ暗記するだけにはしないでください。
各コードの音が、
次のコードへどう動いているのかも見てみましょう。
例えば、
同じ音は残っていない?
半音や1フレットだけ動く音はない?
転回形を変えれば、もっとスムーズにつながらない?
そもそもルート音はギターで弾く必要がある?
こういうことを考えます。
シティポップのリズムギターでは、
意外と小さなコードフォームがよく使われます。
毎回6本の弦を全部鳴らす必要はありません。
3音や4音でも十分です。
そしてボイスリーディングがきれいなら、
小さいフォームの方がむしろすっきり聞こえることもあります。
ハーモニーが複雑だからといって、ギターパートまで忙しくする必要はありません。
どうやって練習すればいい?
4つ全部を一気に覚えようとしなくて大丈夫です。
まず一つ選びましょう。
そして、
盗みましょう。 😆
まずコードフォームを覚えます。
そのあと、
ゆっくりコード進行を弾く
全部のコードをきれいに鳴らす
各音が次のコードへどう動くか見る
シンプルなリズムをつける
別の転回形やテンションを試す
別のキーへ移調してみる
短いメロディーやギターフィルを入れてみる
という流れで練習してみてください。
ただの「コード練習」ではなく、
ちゃんと音楽として聞こえるようになってきたら、
次の進行へ進みます。
使わないコード進行を50個集めるより、
一つをちゃんと自分のものにする方がずっと役に立ちます。
シティポップのコード進行は、思っているほど謎ではない
シティポップのコード進行は、
譜面だけ見ると難しそうに見えることがあります。
でも一つずつ分解していくと、
同じようなアイデアが何度も出てきます。
ii–V–I。
セカンダリードミナント。
借用和音。
バックドア進行。
ドリアン。
スラッシュコード。
susコード。
ボイスリーディング。
目的は、
複雑なコードネームを何百個も暗記することではありません。
よくあるコードの動きが、どんな形で組み合わされているのかを理解すること。
それが分かってくると、
シティポップのハーモニーは一気に謎ではなくなってきます。
結局、同じような音楽的アイデアが、
少しずつ違う服を着て登場していることも多いんです。
シティポップギターをもっと勉強したい方へ
今回紹介したコード進行がどうできているのか、
そして実際にどうやってギターパートとして使うのかを学びたい方は、レッスンでも一緒に練習できます。
例えば、
シティポップのコードボイシング
maj7、9th、11th、13thコード
ボイスリーディング
スラッシュコード
ファンク/16分音符のリズムギター
コードの装飾
こうしたコード進行上でのアドリブ
実際の曲への応用
などを練習できます。
高田馬場での対面レッスン、またはオンラインレッスンを、日本語・英語どちらでも行っています。
レッスン内容は、実際にあなたが弾きたい音楽を中心に組み立てます。
興味のある方はこちらから体験レッスンをご覧ください。





コメント